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Octet-Truss 形コアパネル(ダイアコア)

  • Kazuya Saito
  • 2017年9月23日
  • 読了時間: 3分

省資源の時代にあたり工学のあらゆる分野で軽量化に対する要求が高まり,軽量コアパネルに対する需要は更に拡大している.しかし高い性能を持つハニカムコアはすでにコストダウンの限界に達しており,一方カップ型コアや波板等の低コストコアパネルに関しては面外せん段性能の低さ,異方性等の問題から利用範囲は限られている現状にあり,これらの既存のコア材では増加する軽量化要求に答えることはできない.本研究は古典的な幾何学で知られている平面,空間の周期的パターンである平面/空間充填形を利用することでハニカムコアコア等の既存の角柱形状まで含めコアパネルの形状に対し幾何学的観点から包括的な研究を行い,広汎な分野での軽量化要求に答える低コストで製作可能な新しい軽量コアパネルの開発を目指したものである.

Octet-Truss形コア(ダイアコア)は,周期的な4面体形状の凹部を,3角形のグリッド上に1つおきに成形したパネル片を2枚張り合わせることで製作されるコアパネルである.それぞれのパネル片は,金属板においては塑性加工,樹脂製パネルに関しては真空成形等,極めて安価な方法で製作可能である.凹部形状とその配列パターンは,平面/空間充填形に基づく幾何学的条件によって決定され,これにより同形のパネル片2枚を対向させた際,凹部同士の稜線がぴたりと一致し安定構造とすることができる.成形性のよい樹脂製パネルに関しては,比較的自由に形状を選ぶことができるが,金属製パネルに関しては常温で深い凹部の成形は困難である.この問題を解決するため,高温成形,対向液圧成形,凹部を半球状に成型する予備成形を導入した多段成形法が開発されている. .

実験・数値解析による機械的特性の解明だけで無く,幾何学的パターンと機械的特性の関係,音響・振動特性まで幅広く研究が行われている.

幾何学的パターンのバリエーション

表面の平面充填形を変化させることで,バリエーションモデルを網羅的に創出

共同研究者

五島庸(城山工業株式会社),野島武敏(株式会社アートエクセル),萩原一郎(明治大)

論文情報

田中聡,森村浩明,斉藤一哉,萩原一郎,「トラスコアパネルの振動特性に関する研究」,日本機械学会論文集C編,76巻,765号,pp.26-31, 2010年5月

斉藤一哉,武田晃太.戸倉直,萩原一郎,「新しく開発した軽量コアパネルの幾何学的パターンとプレス成形性の関係」,日本機械学会論文集A編,75巻,751号,pp.111-117, 2009年3月

斉藤一哉,野島武敏,萩原一郎,日本機械学会論文集A編,「新しく開発した軽量コアパネルの曲げ剛性の評価」, 75巻,750号,pp.259-266,2009年2月

斉藤一哉,野島武敏,萩原一郎,「新しく開発した軽量コアパネルの幾何学的パターンと機械的特性の関係」,日本機械学会論文集A編,74巻,748号,pp.96-102,2009年3月

斉藤一哉,野島武敏,「平面/空間充填形に基づく新しい軽量高剛性コアパネルのモデル化」,日本機械学会論文集A編, 73巻, 735号,pp.102-108,2007年11月

Kazuya Saito, Taketoshi Nojima, Development of Light-Weight Rigid Core Panels, Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering, The Japan Society of Mechanical Engineers, Vol.1, No.9, pp.1097-1104, 2007.4


 
 
 

© 2017 by Kazuya Saito

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