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Asymmetric Wing Folding in Rove Beetle

  • Kazuya Saito
  • 2017年9月26日
  • 読了時間: 2分

昆虫の翅に見られる巧妙な折りたたみは、昆虫学者だけでなく航空宇宙工学や機械工学の研究者にとっても興味深い研究テーマである.中でもハネカクシの仲間(甲虫目ハネカクシ科)は収納効率や展開速度の点から最も進化した折りたたみを使っている事が知られている.その最大の特徴は折りたたみパターンが左右非対称,つまり左の翅と右の翅の折りたたみ方が違う点に集約されるが,この非対称性が何故生じるのかに関してはこれまで明らかにされていなかった.東京大学生産技術研究所の斉藤一哉助教(当時,現情報理工学系研究科特任講師)は,九州大学総合研究博物館の丸山宗利研究室の協力を得て,ハネカクシの翅の左右非対称な折りたたみの謎を解明した.斉藤助教らはハネカクシの中でも飛ぶのが得意な海岸性のハネカクシ(オオアバタウミベハネカクシ)に着目しハイスピードカメラを使ってハネカクシの離陸と翅の収納動作を解析し,具体的な折りたたみプロセスと左右の翅の展開図を示すことに成功した.今回明らかにした折りたたみメカニズムは,高い収納効率に加え迅速な展開を実現できる.

さらにハネカクシの折りたたみは左右非対称なだけでなく,左右のパターンを入れ替えて折りたためることが示された.これは,一つの翅が2つの折りたたみパターンで折れることを意味している.これらは人が作った展開構造には見られない革新的なアイディアであり,人工衛星用太陽電池パドルを初めとする展開構造から傘や扇子などの日用品のデザインに至るまで広範な分野にインパクトを与えると期待される.

共同研究者

山本周平(九州大学),丸山宗利(九州大学),岡部洋二(東京大学生産技術研究所)

論文情報

Kazuya Saito, Shuhei Yamamoto, Munetoshi Maruyama, Yoji Okabe,“Asymmetric hindwing foldings in rove beetles”,Proceedings of the National Academy of Sciences Online Edition: 2014/11/04 (Japan time), doi: 10.1073/pnas.1409468111.(掲載誌

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© 2017 by Kazuya Saito

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